一般的な除梗・破砕作業について

収穫したブドウは、粒がついた小さな枝・梗(こう)を取り除く作業を行います。
除梗機を使う場合や手作業で取り除く場合、また両方を行うなど、それぞれ異なります。
では、全てのワイン造りで小さな枝や梗を取り除くのかというとそうではなく、
Whole-Cluster/ Whole-Bunchなどの醸造法では、果実の粒だけでなく、茎や果梗を含んだ葡萄の房のまま行う場合もあります。
 これは、果梗をそのまま醸造した場合、年を経ると、ハーブやスパイスの味わい与える効果があると言われ、果梗からのタンニンが抽出される事で、ワインに厚みができると言われています。
 また、除梗を取り除く場合、梗の持つ香りや味がワインについたり、ワインが薄くなったりするのを防ぐ目的で行われます。

自然派オーガニック・ビオワインでの除梗・破砕作業

では、この段階で自然派オーガニック・ビオワインの視点でみると、どういう事が言えるでしょうか?
まずは収穫→除梗・破砕の作業の中に「ブドウの実などを洗浄するという作業は行わない」という点でしょう。
ということは、畑でブドウの樹や実などが摂取した除草剤や防虫剤の農薬が含まれる可能性が高くなります。
洗浄すれば、そうした農薬などは洗い流されますが、洗浄することで、ブドウの実に定着した天然酵母が失われます。
また、果皮が破れ果肉の果汁が流出してしまったり、実が水分を吸収し、重要なワイン自体の味を大きく変化してしまうのです。
ですので、多くの場合、ブドウの実は洗浄されません。
こうして点からも、自然派オーガニック・ビオワインにおいて土壌や畑においての化成肥料や農薬の使用は重大な課題であり、
それを初期の段階からクリアにしておくことは重要なのです。

ブドウの各部位の役割 

果梗・・・強い苦味やえぐみ、渋みをもち、普通は最初に取り除かれる
果皮・・・高濃度のタンニンや色素(赤ワイン)ほか、風味となる多くの成分を含む
果肉・・・果汁を大量に含み、水分、ブドウ糖、酒石酸やリンゴ酸などの有機酸、ミネラルを含む 果皮の内側が糖度が高く、趣旨の間に酸が多い
種子・・・潰すと苦いタンニンを多く出す。数や形状は品種によって異なる。