最近、近所のコンビニやスーパーでも見かけるようになった、
いわゆる自然派ワイン(オーガニックワイン・ビオワイン・ヴァンナチュール・ナチュラルワイン)ですが、
いろいろな呼び方があって、どれがどう違うのか?はたまた、同じなのか?
よく分からない!って方もいるのではないでしょうか?
さらに・・・が~~~~ん!イタい!
ワインを飲んだあと、頭痛に襲われて、ワイン=頭痛になるという経験から、ワインを飲むのを避けていた!
でも、自然派ワインって頭痛になりにくい!って聞いたので、自然派ワインなら、飲んでみようかしら?という方もいるのでは?
そんな方はこちら!
ワインを飲んで頭痛になった経験の方も少なくないはず。その原因は酸化防止剤・亜硫酸塩と言われていますが、なぜ頭痛が起きるのか?オーガニックワインは?
また、自然派ワインを調べてみると、
普通のワインとは違うってのも聞くし、
自然派ワイン=まずいなんてクチコミもあるから、
そこらへんのことを少し確認してから、購入したいし、
できるなら、自然派ワインの中でもオススメや人気のワインを飲んでみたい!という方もいらっしゃると思います。
そんな皆さんに、自然派ワインを存分に楽しんで頂きたい!と思うのですが、
まずは、色々ある自然派ワインの呼び方とその違いについて、簡単に確認してみましょう!
そうすることで、自然派ワインを買うときに、自分でセレクトするのに役立つと思います。
自然派ワインって色々と呼び名があるけど何が違うの?
自然派ワインと一言でいっても、その呼び名は色々あります。
- オーガニック・ワイン
- ビオ・ワイン
- ビオディナミ・ワイン
- ヴァンナチュール
- ナチュラル・ワイン
- リュット・レゾネ
ずいぶんとありますが、簡単に言いますと、その呼び名によって、自然度(有機の度合い)に違いがあったり、認証システムによって呼び名が異なったり、生産者によって異なったり、しているというものです。
そうした呼び名の違いはありますが、そのベースとなるのがワインの原料となるブドウの栽培。
その自然度の違いで、ワインは大きく分けて4つに分類することができます。
なお、図がピラミッド型なので、上に行くほど、最高峰!?というイメージを持たれるかもしれませんが(他のサイトでは同じ分類をピラミッド型ではなく別の方法で描かれていますよね。その方が意図としては合っているかもしれません)、私見としては、優劣を格付けするものでないと思っています。あくまでも、自然度のカテゴリー分けとして見て頂けると良いかと思います。
一般的な栽培方法で作られたワイン
まずは、ワインの市場で最も多く流通している<一般的な栽培方法で作られたワイン>です。
一般的な栽培方法とは、ブドウの栽培において、いわゆる合成化学肥料や農薬を使用して、生産効率を重視して大量製造されたワインを言います。多くの人々が普段飲んでいるのがこのタイプのワインです。
リュット・レゾネ(減農薬農法)
次に自然派度が上がるのが、その上の段階にある<リュット・レゾネ>のワインです。
化学肥料や農薬を極力使わないワインの事を言います。
減農薬って聞くと、減らしてるだけで、あんまり変わりないんじゃないの?って思われるかもしれませんが、実は、ワインのブドウ栽培は、病気や害虫などによって、その収穫が危ぶまれることもあるんです!長い時間かけて、手塩に育ててきたブドウがやられてしまっては元も子もありません。
なので、できるだけ最低限の使用(使用基準を設けて)で、そういったリスクを回避した、
皆さんの手に届きやすいコストパフォーマンスの良いワインとも言えるのです。
ビオロジック(オーガニック・有機農法)
その次に自然度が上がるのが<ビオロジック>のワインです。
呼び名としては、オーガニックワイン、ビオワイン、ヴァンナチュール、ナチュラルワイン・・・と言われる場合がありますし、言語によって、また別の分類と横断的(混同して)に使われることもありますが、まあ、ざっくりと一般的に・・・です。
これは、自然環境を尊重した方法で、合成化学肥料や農薬、除草剤などを原則として使わない
【有機農法】の事です。
この方法で造られたワインには、有機農法の認証機関<ECOCERT(エコセール)><AB(Agriculture Biologique)>などの基準に基づいた検査が行われ、基準をクリアしたワインは、認証マークを表示して販売することが認められます。
ビオディナミ(バイオダイナミック農法)
その次に自然度が上がるのが<ビオディナミ>のワインです。
これは別名、バイオダイナミック農法や生体力学農法とも言われています。
合成化学肥料や農薬、除草剤などを原則として使用しない有機栽培の<ビオロジック>をベースに、
生体の潜在的な能力を引き出し、土壌の活力をいかして作物を生育させる事を重視しています。
この<ビオディナミ>では、月などの天体の運行にあわせて、植え替えや剪定、接木などの作業を行います。また、プレパラシオンという自然の調合剤を畑に散布したり堆肥作りに使います。
この他にも、独自の農法によってブドウの栽培を行っています。
この<ビオディナミ>の国際認証機関がドイツの<Demeter(デメテール)>などで、
認証されたワインにはマークが表示されています。
承認機関は製造の行程でも基準を設けてます
なお、ここで、認証機関(認証機関の詳細についてはこちら!)の話が出たので、お伝えしますが、こうした有機農法の認証基準には、栽培だけでなく、製造の過程などにおいても、遺伝子組み換え・加工・添加物規制など、規格が定められていて、より、人の体に優しい自然派ワインの生産を行おうとしているのです。
自然派ワインって美味しいの?美味しくないの?どんな特長?
日本に初めて自然派ワインを紹介したワインバーのオーナー勝山晋作さん(故人)。
自然派ワインが美味しく飲めるお店を紹介したこちらの本の著者でもありますが・・・
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自然派ワインについて・・・
「得も言われぬ味わい。一度知ったらもう離れられない」
と語っています。
それぐらい、自然派ワインは、一度口にすると、飲んだ人を虜にするんです。
私も、自然派ワインが大好きで、色々なものを飲んでますが、
一般のワイン以上に、それぞれにエッジの効いた個性があって、ゴツゴツしてて、
時に乱暴で、時に、おしとやかで、驚きと喜びを与えてくれるのが、自然派ワインだなって思っています。
もちろん、一般のワインもちゃんと飲みます。
ちゃんと清澄されて、キレイに澄んだワインの雫を見ると、まさに神の雫。
芸術品を思い起こさせるような、感動を覚えます。
全く、異なるタイプのワインたちなのです。だから飲んでいて楽しい!
テロワールー土地やブドウの樹や実、そのものを感じる自然派ワイン
では、自然派ワインの個性とはどこから来ているのでしょうか?
一般のワインでも、皆さん聞いたことあると思いますが、「テロワール」って言葉。
有機農法で生育したぶどうの樹は、その土地のテロワールが、より強力に出たブドウの実を着けます。
その実を収穫する時には、多くが手摘みで行います。
そのため、ブドウの実についた天然酵母が保たれたまま醸造されるのです。
また、甘味や酸味を補うことがないので、ブドウの実そのままです。
さらに無濾過、無清澄、無着色で扱われます。
特に無濾過ではオリが多く混入しますが、それが旨みの元になっているので、
一見濁ったように見えますが品質には問題がなく、
まさに、ワインの美味しさ、素材の味が生きたまま閉じ込められているのです。
一方、化学肥料を散布した畑で生育したブドウの樹は、その根を、肥料が比較的多くある地表面に拡げると言われています。
根から吸い上げられ、ブドウの実となるのは、地表面の化学肥料の栄養素と散布された農薬などと言えるかもしれません。
では、有機農法はどうでしょうか?
有機農法をベースにした畑では、根は地表面よりも地中の奥深くへと伸びていきます。
そのため、根は、地中に含まれるミネラルなどを多く吸収することができ、
ブドウの樹勢に大きな栄養を与え、その土地のテロワール、旨みと特長あるブドウの実を
実らせるのです。
また、殺虫剤や除草剤などを使用していないため、微生物や昆虫などが多く生存し、
ブドウの生育環境としても自然環境としてもより良い状態が保たれる訳です。
しかし、こうした有機農法は、長い時間と手間がかかります。
そのため、<ビオロジック><ビオディナミ>のワインは、
大量生産のワインと比べると生産ロットが少なく希少なのです。
私は、自然派ワインを飲んでいる時、エチケットで生産地などを確認しながら、
時に、Googleマップで、その土地の風景を確認しながら、その土地に思いをはせます。
そして、その思いは、恐らく、ワインを生み出している生産者の土地への思いと重なる【接点】になるのではないか?
そんな思いを強く起こさせてくれる自然派ワインが何よりも美味しいし、楽しいのです。