洗浄されないブドウの実

ワイン造りの過程でも幾度となく話に出てきましたが、ワイン造りにおいてブドウの実などを洗浄することは多くの場合ありません。
そのため、ブドウの実に定着した天然酵母による発酵がそのワインの味わいを決める大きな要素になります。
これは、私たちワインを飲む側にとっては、テロワール豊かな個性あふれるワインを飲むことができ、楽しみを広げる要素の一つでもあります。

残留農薬などが含まれる懸念

しかし、その一方で、ブドウの実などを洗浄しない事で、もしオーガニックワインでない場合は、その生育段階で使用された除草剤や農薬などの残留の懸念も考えなければならず、そうして造られたワインに残留農薬が残っている可能性はあるのです。
公に健康に害を及ぼすに至らないと言われてはいますが、科学的な検証や分析によってゼロという数値がでれば飲む側としても気が少しは休まりますが、
それらが明らかにならない段階では、やはり気になるのが常ではないでしょうか?
そもそも、農薬を使用することで、先ほどお話しした天然酵母は死滅してしまいます。
そのため、発酵段階で人工培養酵母を投入するという方法がとられています。
こうして考えると、やはり、大きな問題点は「農薬使用をいかになくし、ワイン造りと向き合うのか」という点になると考えられます。
ちなみに、高温多湿な日本の気候風土でブドウ栽培をする場合、その他のワイン生産地に比べ、農薬を多く使用せざるを得ないという状況があるようです。
そうした中でもオーガニックワインとしてワインを造る努力をしている方が多くいらっしゃるのです。
以上のことから、健康や自然環境に優しいワイン造りとワインのあり方を改めて考えてみる良い機会かもしれません。